低反発バットはやはり飛ばないのか。第106回全国高校野球選手権愛知大会1~3回戦の本塁打数が、昨年より約3割減っていることが、朝日新聞の集計でわかった。本塁打を放った選手たちは、バットの特性を理解し、独自の工夫で練習に取り組んでいた。
愛知大会は16日までに全173チームが初戦に臨み、1~3回戦141試合を終えた。本塁打は計33本。昨年同期の46本から大幅に減っている。
低反発バットは、反発性能を抑えた新基準のもの。投手を強襲する打球でのけがを防ぐことなどを目的に今春の選抜大会から導入された。日本高校野球連盟によると、これまでより打球の初速が遅く、反発性が減ったという。「飛ばないバット」とも呼ばれている。
今大会で本塁打を放った選手たちは、どんな印象を持ち、どんな練習に取り組んできたのか。
愛知黎明の稲岡顕人選手(2年)は「高く打ち上げたときは、飛ばない印象があるが、芯に当たったときの飛距離に変化は感じない」と話す。
名城大付の鈴木拓見選手(2年)は筋力アップに取り組みつつ、長短のバットを使い分けて芯の位置を確かめた。東浦の右打者、山下惇平選手(3年)は、下半身から身体をひねり、球の軌道に右肩を入れる意識で練習をした。
愛知県高野連の鶴田賀宣理事長は、本塁打数が減ったのは低反発バットの影響とみる。「行った(本塁打になった)かなと思う打球が、失速することが多い」。また、内野を抜けそうな打球に野手が追いつくプレーもよく見られるようになり、「競る試合が増えている」と話す。(松本敏博、渡辺杏果)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。