(18日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 西宮今津4―5甲南)

 3点リードで迎えた九回の守備。西宮今津の小西慶治郎捕手(3年)は気を引き締めた。「一つずつアウトを積み重ねよう」

 先頭打者の初球。「ストライクを取りたい」と要求した直球を二塁打にされた。相手の応援が活気づき、球場の空気が変わったのがわかった。

 その後、安打と四球で無死満塁とされ、走者一掃の同点二塁打を打たれた。さらに内野安打を許して一、三塁に。「まだ塁が空いているから四球でもいい」と外角の直球を要求した。だが、スクイズを決められサヨナラ負けした。

 3回戦はシード校の神戸弘陵に勝った。小西捕手も適時打を放った。「チームが勢いづいて4回戦も絶対に勝てる」と思っていた。この日も一回に中前安打を放ち、先制の本塁を踏んだ。

 西宮今津の夏の最高成績は兵庫大会5回戦。「神戸弘陵に勝ち、歴史を変えられると思っていた。このチームでもっと試合がしたかった」と小西捕手は涙を流した。

 試合後の球場の外で、井上直哉監督が選手や保護者に語りかけた。

 「シード校を破り、今日は最後にこのような結果になりましたが、人生と一緒だと思います。いいこともあれば、悪いこともある。前を向いて立ち上がって、この子らは人生を素晴らしいものにしてくれると思います」(森直由)

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