(18日、第106回全国高校野球選手権山口大会 周防大島11―1下松)

 三回。本塁を狙う三塁走者をアウトにしてしのいだ後、さらなるピンチが下松を襲った。

 エース小島悠生投手(3年)が2死一、二塁から二つの四球を与えて痛恨の押し出し。四回にも二つの四球や暴投などで点差を広げてしまった。

 「甘い球は打たれる。際どいコースを要求したことが裏目に出てしまった」。キャッチャーマスクをつける佐伯永遠(とわ)主将(同)は振り返る。

 周防大島は昨秋と今春の県大会で8強入りしたシード校。試合前、「ひるまずに普通のチームが相手と思って戦おう」と話し合った。

 先に主導権を握ったのは下松だった。初回、1番の福田龍生(りゅうき)選手(同)が左中間への安打で突破口をつくると犠打と暴投で三塁へ。野選の間に本塁へ滑り込み、先制点をもぎとった。二回はアウトになったものの、二塁走者が右前打で果敢に本塁を狙った。「行ける」。手応えを感じた。

 だが、下松らしさを発揮できたのはそこまで。その後は守備の乱れから失点を重ね、4投手の継投策も通じなかった。

 コールド負けが迫る七回。三塁線への意地の一打で反撃を期した。だが、次打者の飛球は右翼手のグラブに収まり、夏が終わった。

 いったんは流れを引き寄せながら、大量点を許したのはなぜか。日々の練習のどこかに「甘さ」はなかったか。

 後輩たちに伝えたい。「僕たちを反面教師にして、強くて新しい下松野球をつくってくれ」(三沢敦)

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