(18日、第106回全国高校野球選手権奈良大会3回戦、桜井3―9奈良)
桜井・木下正貴監督
まず3年生はここまで俺についてきてくれてありがとう。色々あったと思う。厳しいことを言ったこともあったし、なんでやねんって思うことも言ってきたと思う。
それでも、こんな立派な試合をやって最後全員グラウンドに立って、自分の力を発揮してくれて。本当にこう力を出してくれたんちゃうかなっていうのはすごい思っていて。
同じタイミングでこの学校に来て、初めて練習を見た時に、このメンバーで戦っていくんやなって。みんなと初めて会った時に、まさかこんな夏を過ごせるなんて、あの時の俺は多分思ってなかった。
それがいつの間にか、どんどん立派になって、野球の力もつけていって、人としても任せられるなっていう部分が増えていった。俺の手を離れていって、こうなったら夏戦えるなと思って、その通りに戦ってくれて、初戦を勝ってくれた。
この試合は、お前らやったら勝てた。力を発揮させてあげられなくて本当に申し訳なかったなと思う。
でも、人生はこれからの方が長いし、高校野球で得たもの、手に入れたもの、考えたこと、それらは絶対この先の人生に生きると思う。これから卒業して、その先のステージに行ったとしても、お前らやったらちゃんと努力して、置かれた場所で立派にやれるんちゃうかな。
俺は今それが一番うれしくて。野球がうまくなった、勝った、負けた……。そんなことよりも、格好いい集団になってくれたなって。
ここからが大変や。進路決めるのが大変やと思うけど、頑張ったらできたし、結果も残せたやんか。だから決して不可能なことはない。常にそうやって前を向いて、頭を使って、工夫をして、これから先の人生も頑張って生き抜いていってほしい。絶対、この経験は役に立つ。
お前らと野球が出来て、幸せやった。俺はまた今の1、2年生と一緒に、来年の夏に向けて頑張るから、お前らはまず、進路を決めるために、これからの人生を頑張ってほしい。(清水謙司)
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