(16日、全国高校野球選手権青森大会3回戦 むつ工1―17弘前学院聖愛)

 エースで、4番で、キャプテン。むつ工の浜中仁太(じんた)主将(3年)は「一人三役」をこなす、チームの大黒柱だ。どんな相手にもひるまない。

 相手は、春の東北大会準優勝の弘前学院聖愛。先発のマウンドを任されたが、「力が入りすぎた」。一回途中に8失点した時点で、右翼の守備に回った。

 4番では意地を見せた。五回、1―17と突き放されていても、一打にかけた。相手エースの鋭い直球を、中前にはじき返して安打にした。

 「投球マシンを5メートル前に置いて練習した、今までの集大成の一打です」

 チームは、むつ養護学校と交流している。冬は大型の野球盤で試合をする「ユニバーサル野球」を体験した。障がいのあるなしにかかわらず、スイッチを使って打撃や投球ができるゲームだ。

 「養護学校のみなさんの笑顔を見て、野球の楽しさを改めて感じました。僕たちもがんばろうと、思い立ちました」

 完敗しても潔かった。「一人ひとりがあきらめない。そんな野球ができました。みんな、成長しました」(渡部耕平)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。