(14日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 星槎国際湘南7―11横浜商大)

 1点リードで迎えた五回表、横浜商大はエース磯貝駿乃介(3年)の制球が乱れ一気に6点を取られた。投手交代。磯貝は岡村悠貴(3年)の背中に向けて「頼んだぞ」と思いを託した。

 岡村は「この流れを断ち切る」と緊張しながらも笑顔でマウンドに上がった。エース磯貝は一番尊敬しているメンバー。「また磯貝に投げてもらいたい。ここで終わるわけにはいかない」。

 岡村はチームで目立つ投手ではなかったが、6月以降の厳しい練習を乗り越えて急速に力をつけたという。八木沢辰巳監督は「自信をもって彼を送り出した」。

 この日も交代した五回以降、持ち味のゆるいカーブとカウントが取れるスライダーで相手を被安打1の無得点に抑えた。

 チームは4回戦進出を決め、次戦は昨年王者の慶応。八木沢監督は「特別なことはしない。元気よく、失敗を恐れない野球をやるだけ」と話した。(稲葉有紗)

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