(13日、第106回全国高校野球選手権南北海道大会1回戦、北照4―0とわの森三愛)
七回のピンチの場面でとわの森三愛の長船大真副主将(3年)が伝令に出た。「やっていかんと!」。部長の口癖のモノマネで皆を笑顔にすると、仲間はその回を抑えて応えた。
昨秋までの主将。だが、すべてを長船選手任せにしてしまうチームを見て、前田康晴監督はあえて、中村悠飛選手(3年)を新しい主将に指名した。本心は主将を続けたかったが、「悠飛を支える」と覚悟を決めた。
冬の間、チームの雰囲気が緩んでいると感じると、どうすればチームが勝ち上がれるか、主将と2人きりで話し合った。春にけがをし、打撃の調子が上がらなかった。試合に出られなくても、声で盛り上げ続けた。
この試合、ここぞの出番で代打で出場する予定だったが、負傷で退いた中村主将の代わりに、八回の守備から出場した。「悠飛のために絶対勝ちたかった」と悔やんだが、肩書が変わっても、自分らしく役割を果たした。
前田監督は「陰の偉大なキャプテン。最後まで誰よりも頑張ってくれた」と認めていた。(鈴木優香)
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