(12日、第106回全国高校野球選手権栃木大会1回戦 小山南15-0高根沢)

 小山南のエース左腕八木橋凌真(3年)が、1安打無失点9奪三振の投球で、好発進した。

 春の県大会では通算56奪三振で大会新記録を樹立し、一躍、他チームから注目される存在となった。そんな中で迎えた開幕試合での先発登板。

 「一、二回は緊張していて、自分の投球ができなかったが、チームが得点してくれた。おかげで自分も、もっとギアを上げなければと思った」

 低めの変化球を主体に組み立て、相手のバットに空を切らせる。特に光ったのが決め球のスライダー。大事な場面で思い切りよく腕を振り、捕手生井慶吾(3年)のミットに球を投げ込んだ。

 作新学院の小川哲平、白鷗大足利の昆野太晴、文星芸大付の堀江正太郎(いずれも3年)など、今年の栃木大会は強豪の私立を中心に全国でも注目される好投手らがしのぎを削る。

 「投手王国」とも呼ばれる状況をどうみるか、との問いかけに八木橋は「その人たちと比べたら、自分はまだまだ。体も細いし、球速も全然だし、追いつけない部分がたくさんある」と自己分析し、こう言葉を足した。「一歩でも近づけるように、そして越せるようにと思って頑張ってきた」

 持ち味の制球力をさらに高めることを目指し、指先の意識を研ぎ澄ます。チームの目標は4強超えだ。強者にもひるまぬ意志を胸に秘め、次戦に挑む。(高橋淳)

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