「世界でもやっていないことをやる」。6月に新体制で始動したビーチサッカーの日本代表が新戦術に着手している。2021年ワールドカップ(W杯)準優勝という過去最高成績を超えるべく、コーチから就任したのは田畑輝樹監督。2月のW杯まで2大会を選手兼監督で戦った茂怜羅(もれいら)オズが選手専念になり、さらなる上積みを図る。

新体制となって最初の合宿で選手と動き方を確認する田畑監督(左から2人目)

 砂の上の5人制サッカーは不安定な足場、不安定な浮き球が多く、ボールに関わる場面では状況判断のために選手が止まることが多い中、流動的に動くフィールドの4人とGKの攻撃参加でいかに数的優位をつくるか。相手のマークとのズレを全員が生み出しながら「ハーフコートを越えたら4人全員が攻撃の状況を」と指揮官。千葉市内での練習合宿で一端を見せた。  選手時代は2007年からW杯8大会に連続出場した田畑監督は、歴代のラモス瑠偉監督や茂怜羅監督らと戦ってきた経験を基に、日本の良さを最大限に生かす「プレーモデル」を作成。「相手の相互作用を崩し、自分たちの相互作用を生かす」ことや、リスク管理のための「即時奪回」など分かりやすく言語化した資料で選手に理解を促す。  初招集選手を含めた今合宿を経て、今後は茂怜羅ら主力を融合させるとみられる。「得点力がまた増すと思う」と監督。次回2025年のW杯につなげるために「まずはアジアを勝つ」と見据える。(上條憲也) 

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