(8日、第106回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦 川崎工科1―3川崎北)

 川崎工科の先発、左腕の池田蒼良(3年)は七回まで毎回奪三振を積み上げ、その数は12。1―1の同点で迎えた八回、川崎北の4番打者、枦田陽太(2年)に中越えに運ばれ、適時二塁打に。一塁走者が勝ち越しの本塁を踏んだ。この試合、初めて勝ち越しを許す長打を浴びた。

 ワンスリーからの投球だった。「打ってくるとは思わなかった。四球は出したくなかった。厳しくいこうと思ったが、スライダーが少し浮いた」。相手の積極的な姿勢に「後悔が残った」。この回で降板した。

 「ひとり一人のバッターに全力で」と直球とスライダーの緩急で抑えてきた。三回に1点を先制されても、「自分のミス。なんとしても取り返す」と切り替えた。

 四回、打席に立つと、狙い通りに外角の直球を流し打ちした。1点を挙げ、追いついた。

 八回の1球に泣いた夏が終わった。「後輩たちは悔いなく全力で戦ってほしい」。言い残して球場を去った。(佐藤英法)

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