(7日、第106回全国高校野球選手権兵庫大会1回戦 仁川学院5―6須磨友が丘)
一発勝負の高校野球。ミスした分はその試合でしか取り返せない。
1点差に迫られた六回1死満塁。守る仁川学院は、相手が仕掛けてきたスクイズを本塁封殺した。そのあと西村祐志捕手(3年)が走者を刺そうと三塁へ送球。だが、大きくそれて逆転を許した。「試合の緊張感で、思い切りいけなかった」
これまで負ける試合は守備のミスからの失点が多かった。守備の要として、自分にも仲間にも厳しくしてきた。練習で公式戦のような緊張感を作ってきた。
挽回(ばんかい)のチャンスは、2点を追う九回にやってきた。1死走者なしで打席に立つ。「ストライク来たらどついたる」
内角の直球を振り切った打球は三遊間を抜けた。塁上で拳をあげる。「みんな頼む」。そのあと、長短打で同点に追いついた。
だが、タイブレークに突入した延長十回、スクイズを決められた。サヨナラで負けた。西村捕手は試合後、「後悔する内容ではなかった」と話しだした。しかし、最後はその顔がくしゃっと崩れた。「悔しい。悔しい。もう一年やりたい」
そんな西村捕手を辻元伸一監督はねぎらった。「成長を見るのが楽しみだった。試合は彼に任せていた。頼もしく、やりきってくれた」(原晟也)
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