知的障害のある生徒が通う東京都立青鳥(せいちょう)特別支援学校(東京都世田谷区)が7日、全国高校野球選手権西東京大会に単独チームとして出場した。特別支援学校の単独出場は全国初。東村山西に0-66で五回コールド負けしたが、部員たちの全力プレーに観客から大きな拍手が送られた。

試合後、スタンドに向けて整列する部員たち=7日、東京都八王子市で(昆野夏子撮影)

 守備の乱れで失点を重ねる苦しい展開。それでも、初回に岩本大志選手(1年)が唯一の安打となる右前打を放った。先発したエースの首藤理仁(りひと)投手(3年)は四つの空振り三振を奪い、何度も笑顔を見せた。  五回裏には、体の筋肉が徐々に衰える難病の白子悠樹主将(3年)が代打で出場。ボール球を見極めたが空振り三振に終わった。

試合後、「選手は誰も諦めていなかった。勝ちたかった」と話す白子主将

 試合が終わると、スリーボンドスタジアム八王子(八王子市)のスタンドから「よくやった」「ありがとう」と歓声が上がり続けた。  白子主将は「勝てなくて悔しい。でも、みんなと野球ができて楽しかった。野球はぼくの人生を変えてくれた」と涙ぐんだ。首藤投手は「三振が取れてうれしかった。やり切った」。久保田浩司監督(58)は「重い扉を開け、歴史的な一日になった。練習の成果を発揮して一生懸命がんばってくれた」と目を細めた。(昆野夏子) 

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