(7日、第106回全国高校野球選手権京都大会1回戦 京都産大付11―2鴨沂)
立ち上がり、鴨沂の1年生投手の田中伸太郎さんは甘い球を狙われていた。初回2死からヒットと暴投でランナー二塁とされ、続く打者は四番。
「気負わず全力で投げよう」
主将で捕手の熊谷蒼介さん(3年)が声をかけた。
4球目を打たれ、舞い上がったボールは仲間の待つ一塁側ベンチ付近へ。熊谷さんはひざを曲げ、滑るように捕球した。すぐさま、田中さんを指さして「オッケー、それでいいよ」。
四回表の2死満塁では、三塁走者がベースから大きく離れ、熊谷さんが三塁へ送球。タッチアウトに。
コールドで敗れたが、「やりきりました」と笑顔をみせた。(木子慎太郎)
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