神奈川大会の開会式が5日、横浜スタジアムであった。昨年に続き、参加者の体調を考慮して炎天下を避けた午後4時から開催し、開幕試合は行わなかった。選手らが行進する様子を、約8500人の観客が見守った。

 時計の針が4を差すと、わずかに日差しの和らいだ横浜スタジアムは、ほどよい緊張感に包まれた。6校からなる吹奏楽部員らの演奏をバックに選手らが入場。約3千人がチームごとに息を合わせて行進した。

 昨年の神奈川大会を制し、甲子園で優勝した慶応の加藤右悟主将(3年)が選手権大会の優勝旗を披露する一幕もあった。県高野連の布施和久会長はあいさつで、「大切なのは役割を果たすこと、大会を最後までやりとげること。青春の炎を精いっぱい燃やして」とエールを送った。

 試合は7日に始まる。大会期間中は猛暑が予想され、県高野連は暑さ対策に力を入れる。

 開会式では、選手らが水分補給できるよう、水の入ったペットボトルなどをポケットに入れることを認めた。試合では、昨年から導入されたクーリングタイムを、今年は必要に応じて五回裏などで設ける。ネッククーラーなど体を冷やす道具の持参を認め、県高野連も球場に用意する。各ベンチにはスポットクーラーと呼ばれる冷風機を設置する。(手代木慶)

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 「ゲームセットの瞬間まで、全力でプレーし続けます」。選手宣誓を務めた川崎北の佃(つくだ)陵汰主将(3年)は声を張りあげた。

 「一生懸命が一番かっこいい」と伝えたかった。監督がよく使う言葉で、チーム内でも言い合ってきた。体現するような熱戦をすると意気込む。

 宣誓の言葉は3年生全員で考え、練習後の全体ミーティングのたびにチームメートの前で練習した。「もっとゆっくり話した方がいいよ」などと助言をもらい、表現を磨いた。宣誓を終えて列に戻ると、仲間にお尻をたたかれ出迎えられたという。

 自己採点は「100点です」とやりきった表情。これから始まる試合では、「多少注目されると思うので、積極的なプレーを見せたい」。(中嶋周平)

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