女子決勝代表戦で、環太平洋大の伊藤南風(右)に谷落としで一本勝ちした東海大の横田ひかり=日本武道館で2024年6月22日、北山夏帆撮影

柔道 全日本学生優勝大会第1日(22日、東京・日本武道館)

女子1部決勝 ○東海大0―0環太平洋大●(代表勝ち)

 一本勝ちの瞬間、東海大の横田ひかり(2年)の目に涙があふれた。抱き合いながら、2年ぶりの王座奪還をかみしめた。

 女子1部決勝の環太平洋大戦は5試合がすべて引き分けで勝負が決まらず、代表決定戦に持ち込まれた。抽選の結果、先鋒(せんぽう)同士の戦いに決まり、勝負は横田に託された。

 相手は小学生の頃から知っているという伊藤南風(2年)。ともに長野・佐久長聖高へ転校し、しのぎを削ってきたライバルだ。互いに手の内を知り尽くしていたが、引けを取らず、長い手足を生かして攻撃をしかけた。1分10秒、「はまれ」と思いを込め、渾身(こんしん)の谷落としが決まった。

 昨年は無念の準決勝敗退。2004年アテネ・オリンピック女子78キロ超級金メダルの塚田真希監督は「準備ができなかった」と振り返る。だが今年は2年の横田や本田万結ら若手を軸に、チームは成長を遂げた。決勝前、選手に「昨年はここで戦えなかった。笑顔でやってこい」と伝えると、最高の結果に結びついた。

 先輩の雪辱を果たした横田は「連覇はもちろん、(全日本学生体重別団体優勝大会との)2冠を目指したい」と笑顔で語った。【高橋広之】

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