プロ注目!早大・吉納翼選手が敢闘賞

<全日本大学野球選手権>決勝・明治神宮野球場

 早稲田大学(東京六)が青山学院大学(東都)に2-1で敗れ、準優勝。

 今秋ドラフト候補の愛知県出身、早大・吉納(よしのう)翼外野手(4年・東邦)が3番・右翼手で出場した。

 初回、二死走者なしの場面で迎えた第1打席では、青学大の右腕・中西聖輝投手(智弁和歌山・3年)の投じた148キロのアウトコース高めを左前に運んだ。

 そして3回の第2打席には、右足のかかとに死球を受け、一度はベンチに下がったが、すぐに再びグランドへ戻った。

 4回に相手のエラーが重なり、早大が1点を先制したものの、5回に二本のタイムリーで勝ち越しを許す。

 それでも8回には、青学大の佐々木泰主将(県岐阜商・4年)のライト線の飛球に追いつき、好守備をみせた。

 1点を追う9回。無死一塁の場面で迎えた第4打席では、二飛に倒れ、2-1で敗れた。

「東京六大学の代表として出るからこそ負けてはいけない試合だったと思いますし、悔しいの一言です」と試合後に話した。

 実は吉納選手と佐々木選手は、2020年の8月に東邦と県岐阜商の3年生による引退試合で対決。

 当時新型コロナウイルスに野球部員以外の生徒が感染し、ともに高校野球の独自大会を辞退したことがきっかけで、完全燃焼で終えられなかった3年生のために行われた引退試合だった。

 吉納選手は「自分の代での全国大会がかかった大会もなければ、甲子園もなかった。高校野球は不完全燃焼になってしまったので、先がみえなかったけど、大学では切磋琢磨してお互いプロにいこうと引退試合の時に(佐々木)泰と話したので、こういった舞台で戦えたのは良かったと思います」と振り返った。

 一方の佐々木選手は「お互い高校最後の相手で、この大会が始まる前も決勝で試合しようと話してたので、最後対戦できて嬉しく思います」と笑顔だった。

 夏の全国選手権大会が中止になるなど、“異例の夏”を過ごした二人が、4年の時を経て全国大会の決勝で対戦。敢闘賞に選ばれた吉納選手は、今日の悔しさを胸に再び前を向く。

「負けたことはしっかり受けとめて、秋はまず六大学でトップに立ってから、もう一度チャンスがあれば決勝で青学にリベンジしたいと思います」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。