(11日、プロ野球 福岡ソフトバンクホークス4―2東京ヤクルトスワローズ)

 七回。ソフトバンクは4連打で同点に追いつき、なお1死二、三塁の好機。中村晃は「つないで、つないで、大チャンスで(打席が)回ってきたので」。自然と感情は高ぶったが、プロ17年目の34歳は自らを制御する術(すべ)を知っている。

 3ボール、1ストライクからの5球目。真ん中高めに甘くきた直球を見逃さない。中前への2点適時打で勝ち越し。これが決勝点になった。

 昨季まではレギュラーだったが、今季は山川穂高、ウォーカーの加入で、開幕から「控え」に回る。代打起用も多く、「1打席しかないので、対策とかを考えた」。試合の流れを見ながらベンチ裏で素振りなどをして出番を待つ。慣れない調整法に試行錯誤しながら、結果を出そうともがく日々だ。

 小久保監督は「言い訳しない。人のせいにしない。環境のせいにしない。難しい立場でチームを引っ張っている」と賛辞を贈る。

 「目の前の1打席、1球に集中するだけ。最近はそう思うようになってきた。まだ勉強中です」。あくまで謙虚に、そして向上心を忘れない。こんなベテランがいるソフトバンクは強い。(鷹見正之)

 有原(ソ) リーグトップタイの6勝目。「守備でも打撃でも助けてもらっている。今日は打って勝ちをつけてくれたので、チームに感謝したい」

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