日鉄鹿島・佐田健介投手=群馬・太田市運動公園野球場で2024年6月6日午前10時47分、田内隆弘撮影

 第95回都市対抗野球大会(日本野球連盟、毎日新聞社主催)の2次予選・北関東大会は6日、群馬・太田市運動公園野球場で準決勝2試合を行った。日本製鉄鹿島は、先発・佐田健介が九回1死まで無安打無得点の好投を見せたが援護がなく、完封負け。日立製作所は終盤に守備が乱れてエイジェック(栃木)に逆転サヨナラ負け。いずれも7日の第2代表決定トーナメント2回戦に回った。【田内隆弘】

日鉄鹿島・佐田健介投手(25)

 圧巻の投球だった。自己最速を更新する150キロの直球で押し込み、多彩な変化球でタイミングを外した。

 「SUBARU打線は勢いに乗るとやっかい」。一人一人に集中して投げているうちに、八回を終わって被安打ゼロ。味方打線も得点を挙げられずにいたが、「ゼロで抑えていれば負けない」と右腕の気持ちは切れなかった。

 無安打無得点試合もちらついた九回が落とし穴だった。1死から四球を与えると、4番・外山優希を2ストライクまで追い込みながら「最後は落ちる球が甘くなった」。この試合初安打となる中前打を許したところで降板。その後、救援陣が踏ん張れず2点を失い、132球の熱投は報われなかった。

 「直球で押せるようになった」という入社3年目の今季、本格的に先発を任されるようになった。4月のJABA日立市長杯は、日本生命戦で九回途中まで2失点の好投を見せたが、やはり負け投手になっている。「過程がどんなに良くてもチームが負けたら意味がない」と課題を口にする。

 東京ドームへ今後は負けられない戦いになるが、「どこかで登板の機会があるはず。そこでも一人一人に全力を尽くしたい」。今度こそ、チームに白星をもたらすつもりだ。【田内隆弘】

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