衆院政治改革特別委員会の理事懇談会で政治資金規正法改正案の協議に臨む与野党理事ら=国会内で2024年6月3日午前9時59分、平田明浩撮影

 自民、立憲民主両党は3日、政治資金規正法の改正案について、4日の衆院政治改革特別委員会に岸田文雄首相が出席した上で質疑を行い、採決することで合意した。自民は同日中に衆院本会議でも採決し、公明党、日本維新の会などの賛成多数で衆院を通過させる構えだ。

 また、自民は「50万円超」に限定していた政策活動費の公開対象について維新の要求を受け入れ、全ての支出を10年後に公開するとの内容に修正する方針だ。

 立憲の笠浩史・国対委員長代理は4日の委員会採決を受け入れた理由について、「首相にこれで本当に政治改革が進むのか、ただす機会を得たので採決には応じた」と記者団に説明。即日の本会議採決にも「波静かであれば対応したい」と語った。

 一方、維新の音喜多駿政調会長は3日、国会内で記者団に対し、自民の再修正案が政策活動費の公開対象を「50万円超」に限定している点について「50万円以下であれば領収書の公開が必要ない。抜け道がある状態の自民案には賛成することが難しい」と批判。自民側にさらなる修正を求めることを明らかにした。

 これを受け、両党幹部が修正協議。50万円超とする規定を削除し、すべての領収書を10年後に公開する方向で調整している。

 3日の委員会審議では、使途が公開されない政策活動費について質疑が集中した。立憲の山岸一生氏は、自民の再修正案が政策活動費の領収書公開を10年後としている理由について、「政治とカネに関わる犯罪の公訴時効が10年(以内)であることを考慮したか」とただしたが、自民の鈴木馨祐氏は「初耳だ」と述べるにとどめた。

 領収書が公開された場合に「支出先や店の名前などに『黒塗り』を認めることがあるか」との問いには、鈴木氏が「個人のプライバシー、企業・団体の営業秘密の保護とのバランスは当然考慮されなければならない」と答弁。山岸氏は「ブラックボックスを手間ひまかけて、細かいブラックボックスにしていくだけの改革ではないか」と批判した。【田中裕之、源馬のぞみ】

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