長谷川岳氏=手塚耕一郎撮影

 北海道の鈴木直道知事は30日の定例記者会見で、自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)との面談だけを目的とした道職員の出張回数が2019~23年度に計276回、旅費が計約2031万円に上った問題について、「1人の方に会う中で、(出張が)276回というのは多い」と述べ、オンライン会議の促進を含めて出張のあり方を見直す考えを示した。

 道の調査によると、国会議員と面談した出張は5年間で延べ計2165回(旅費計約1億7819万円)あった。このうち276回は長谷川氏と会うためだけの出張だった。

 鈴木知事は、長谷川氏との面談を「それぞれ必要だった」として、いずれも適切だったとの見解を示した。一方、「1人の方に会うのに公費で上京するのは課題がある」と述べ、今後は複数の関係先を回ることやオンライン会議の検討を徹底するとした。

 23年度の単独面談は長谷川氏が118回だったのに対し、2番目に多い国会議員は5回だった。鈴木知事は長谷川氏が突出した理由について、「経済部の業務が大幅に増加し、長谷川氏が関係省庁との調整に携わる機会が多かった」と説明。面談回数と長谷川氏による「威圧的な言動」との関係を問われると、「出張の必要性は命令権者が判断し、目的は適切だった」と述べるにとどめた。

 長谷川氏に対しては29日に電話で改めて改善を求めたという。【石川勝義】

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