辞職するにあたっての思いを語る川勝平太知事=県庁で、丹野恒一撮影

 川勝平太知事の退職届提出を受けて、静岡県掛川市の久保田崇市長は10日、定例記者会見で、未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り「大井川の水問題について当初、知事があれだけ言わなかったら、流域の声がJR東海に届くことはなかったかもしれない。一定の役割を果たした」と評価した。

 一方で「必要ないことを言い過ぎた部分もあった」とも述べた。次の知事に対しては「リニアを着実に推進し、同時に水問題の県民の不安を払拭(ふっしょく)できる人。バランス良く両立することが求められている」と望んだ。【山田英之】

県議会議員「難しいかじ取り」

 これまで川勝知事に批判的な立場を取ってきた県議会最大会派・自民改革会議の増田享大代表は、4期目までの県政運営の評価として「誰が知事をやっても難しい社会情勢の中でのかじ取りだった。世界に向けた発信はしていただけたが、議会との間で建設的な政策の議論をもう少し綿密にできていたらより良かった」と語った。次の知事候補については「複数の名前が取り沙汰されているが、県が直面している諸課題への認識を共有してもらえる人が理想だ。短時間で選んでいきたい」とした。

 知事を支えてきた第2会派・ふじのくに県民クラブの田口章会長は「ビジョンを掲げ、ものすごい突破力で推進していく力を持っていた。ここしばらくは発言などについて批判を受けた。任期を1年3カ月残して辞職することになったのは残念だ」と惜しんだ。候補者選定については、会派の考えを立憲民主、国民民主の両党県連、連合静岡との4者協議で示し、足並みをそろえられるか探るという。【丹野恒一】

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