川勝平太知事の記者会見での発言に、厳しい表情で反論する愛知県の大村秀章知事=愛知県庁で2024年4月10日午後7時5分、荒川基従撮影

 静岡県の川勝平太知事が10日の辞表提出後に行った記者会見で、リニア中央新幹線の早期開通について「足を引っ張ることをしたことは一度もない」などと発言したことに対し、愛知県の大村秀章知事は報道陣の取材に応じ「『お前、言う?』(というフレーズ)が頭に浮かんだ」と反論し、事業計画を遅らせたのは川勝知事だと指摘した。

 川勝知事は会見で「(中央新幹線整備の)推進派から外れたことがない」とも話した。こうした発言に対し、大村知事は「静岡工区の工事発注から6年4カ月もたったのに着工できていない。川勝知事が早期開業に向けて力を尽くしていただいたということではないのではないか。皆さん、そう見ているのではないか」と指摘。「推進論者であれば専門家、科学者が科学的論拠で作った報告書をもっと尊重すべきだったのに、すべていちゃもん(言いがかり)をつけていた。実際にやっていたことは違うんじゃないか」と批判した。

 また、JR東海が品川―名古屋間の2027年開業を断念したことについて、川勝知事が「事業計画は音を立てて崩れた」「破綻した」と述べたことに対しても、大村知事は「地層の問題などで工事が遅れるのは、ままあること。JR東海に失礼だ」と反発。さらに「川勝知事、静岡県が延々と協議することで時間が過ぎて、事業が遅れた。静岡工区がボトルネックになっているのは事実で、まさに『誰が言う?』『お前言う?』だ」と強い口調で非難した。【荒川基従】

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