「オーガニック」とは、化学肥料や農薬を使わず水や土、太陽などの「自然の力」を生かした生産や加工のことです。日本では「有機農業」を指すことも多く、メリットとしては▼体に良い▼生態系を守ることができる▼大気汚染などを防ぐことで地球温暖化の対策にも効果的、などがあり注目を集めています。
    
国は有機農業の産地づくりを推進していて、地域ぐるみで取り組む市町村「オーガニックビレッジ」を2030年までに200つくることを目標にしています。そのうち、県内で唯一オーガニックビレッジに取り組んでいる越前市が14日、日本初となる『オーガニック都市』を宣言しました。
  
14日、越前市の農産物直売所で開かれたオーガニック都市のキックオフセレモニーには、行政や農業関係者などが出席し、地域ぐるみで有機農業を進めていくと宣言しました。
  
「コウノトリが舞う里づくり」を推進している越前市は、かねてより、生物を守り、地球環境に配慮した有機農業を盛んに行ってきました。その結果、現在では越前市の耕地面積全体の7.7%で有機農業を行っています。これは全国で見た割合0.6%を大幅に上回っていて、越前市は国内でも有数の有機産地となっています。
 
国は有機農業産地づくり「オーガニックビレッジ」の取り組みを進めていますが、この取り組みを行う他の自治体と違うのは、越前市は市内の一部の地域による取り組みではなく、市全体で行うということです。有機農業による農産物の生産、加工、消費までをすべて市で一貫して行う、まさに「都市」という規模での宣言です。市は「温暖化が進んでいる。ぜひ農業の分野で対策を進めたい。市民に購入してもらうことで温暖化対策を進めていきたいし、生き物の多様性を保ち、地域を守っていきたい」と話しています。
  
国内初となる「オーガニック都市」宣言。市では今後、有機農業の新規参入者への技術指導、民間企業との連携、さらには、デジタル技術なども使いながら、安定した収量や作業効率化を図るなどして、5年後には有機栽培面積を全耕地面積の25%にするという目標も掲げています。

また、宣言を記念して有機栽培米のレトルトパック商品「越前こうのとり米」の3個パックセットの販売もスタートしました。

市内のある生産者は「有機農業を始めるようになり、生産した農作物の販売価格が2倍になった。大変だが、市全体で有機農業を推進・サポートしてくれることはとてもありがたい」と話していて、今後の展開に注目です。

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