参院本会議で2023年度決算の概要報告について自民党の清水真人氏の質問に答える石破茂首相=国会内で2024年12月20日午前10時18分、平田明浩撮影

 石破茂首相は20日、2023年度決算に関する参院本会議の審議に臨んだ。所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げを巡っては、自民、公明、国民民主の3党幹事長合意を踏まえ「誠実な協議を期待している」と述べるなど慎重な答弁が目立った。

 国民民主の浜口誠政調会長は、与党が提示した123万円への引き上げが「国民の期待や民意に応えるものだと考えるか」とただし、国民民主が求める178万円を実現するよう首相のリーダーシップを求めた。

 これに対し首相は、「(与党と国民民主の)幹事長合意を踏まえ、引き続き真摯(しんし)に協議していく方針と承知しており、誠実に協議が進められることを期待している」と述べるだけだった。

 立憲民主党の青木愛氏は「年収の壁」引き上げによる税収減で住民サービスが低下する恐れを指摘。首相は「地方の首長の心配は十分に理解でき、丁寧に応えていきたい」と述べ、地方財源に支障が生じないよう対応する考えを示した。

 日本維新の会の山口和之氏は、高校授業料無償化に関する首相の見解を求めた。首相は「高校進学率が99%に達する現状で、どこまで家計負担の軽減を図るべきか、引き続き考えるべき課題だ」と述べた。【村尾哲】

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