政府は20日、首相官邸で防災立国を推進するための閣僚会議の初会合を開いた。石破茂首相は「日本を世界一の防災大国にする」と述べた。2026年度の防災庁の発足をめざして災害対応の充実や司令塔機能を強める。
首相は防災庁の設置準備を担当する赤沢亮正経済財政・再生相のもとで防災庁のあり方についての有識者会議を開くよう指示した。
1月の能登半島地震のときに設けた避難所について、被災者の安全や安心に問題がないかを調査する特別チームをつくるよう指示した。内閣府と経済産業省の職員で構成する。被災者の意見を聞き改善策を講じる。
坂井学防災相は記者会見で、内閣府の職員を石川県輪島市に派遣して避難所の状況について確認すると明かした。
政府は25年度予算案で災害対応を強化する方針だ。避難生活環境の改善に向けて、国が被災地からの求めを待たずに救援物資を送る「プッシュ型支援」の体制を整える。
被災者に料理を提供する「キッチンカー」などの登録制度を創設する。官民連携の人材育成や防災情報システムを活用したデジタル化に取り組む。
政府の災害対策を担う内閣府の司令塔機能を強め、関係省庁の事前防災対策を支援する枠組みをつくる。
組織・人員の拡充も進める。局長級の政策統括官の上に次官級の「防災監」を新設する。新たに内閣府から担当者を各都道府県に配置し、現地の職員と協力して地域防災を推進する。定員は110人から倍増を見込む。
災害対策に関連する法律などを見直し、広域避難者への対応を充実させることなどを検討する。首相は坂井氏に25年の通常国会に法案を提出できるよう準備を指示した。
閣僚会議で「防災庁設置に向けた準備を着実に進めてほしい」と語った。防災庁構想は自身の看板政策と位置づける。政府は11月に内閣官房に防災庁設置準備室を立ち上げた。将来的な「防災省」への格上げも視野に入れる。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。