19日の衆院政治倫理審査会に出席して弁明した議員の発言要旨は次の通り。
福田達夫氏
自民党旧安倍派が政治資金パーティー券収入の一部を所属議員に還流していると知らなかった。安倍晋三元首相の死後、再開が決まった経緯も知らない。派閥事務局から政治資金収支報告書に記載しないよう指示があり、従った。
父の康夫元首相の事務所に秘書として勤めていた際も会計に一切触らなかった。この件について、父と話したことはない。故意に裏金をつくる思いは全くなかったが、世間一般の目から見れば裏金の状態だった。
宮内秀樹氏
政治資金パーティー券の販売は全て秘書に任せ関与していなかった。政治資金収支報告書への不記載が問題になり、パーティー券代の一部が納入されず事務所に現金で保管されていると知った。
自民党旧二階派では、当選回数が増えると販売ノルマが増えるルールがあった。ノルマに達しない場合に備え、派閥にはノルマ分のみを入金し、超過分を保管した。誰がノルマを決め、割り振っていたのか知らない。派閥事務総長からノルマの話を聞いた覚えはない。
宮下一郎氏
自民党派閥による資金還流の存在を知らなかった。残念ながら全貌が明らかになっていない。どういう意図で、政治資金パーティー券の販売ノルマを超えた分の還流が始まり、2022年に安倍晋三元首相がやめる判断をしたのに再開されたのか、まだやぶの中にある。真相解明してほしい。
政治倫理審査会で一人一人が情報を出し、解明につなげていくという意味で開催する意味はある。ただ解明できるかどうかというのは別問題だ。
簗和生氏
自民党旧安倍派からの還付金は適正に処理されていると認識していた。政治資金収支報告書に記載する必要はないとの派閥の指示に従い、対応したに過ぎない。
派閥は政治資金の取り扱いについて、誤った指導をしていた。寄付として記載するには、派閥事務局と所属議員の両者が共通の認識を持っていることが前提になるので、一議員が正しく記載するのは困難だった。
〔共同〕
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