自民党の派閥の裏金問題に関する衆議院の政治倫理審査会。
18日午後、いわゆる安倍派5人衆の1人、自民党・萩生田光一元政調会長が出席しました。
不記載2728万円・萩生田光一元政調会長:
このたびの問題により、国民の皆さまに多大な疑念を抱かせ、政治不信を招きましたことについて、この機会に改めて深くお詫びを申し上げます。
パーティー券収入のキックバックを知っていたのか知らなかったのかについて、萩生田氏は「今回の問題では、報道等で取り上げられた後に、事務所担当者より収支報告書に記載されていない還付金が存在するとの報告を受け、初めて認識しました」と述べ、その上で「具体的な管理については事務所の担当者に一任していた」と話します。
5人衆として、旧安倍派の中心メンバーだった萩生田氏。
萩生田氏はキックバックの仕組みについて、2003年の衆議院初当選時に派閥から説明を受けたと明かしました。
そして2004年に、キックバック分は収支報告書に記載しない取り決めがあると、派閥から事務所の担当者に説明があったと述べました。
その一方で、「令和4年7月に安倍会長がご逝去されたのち、会長不在が続いておりましたが、令和5年8月末の新体制発足に伴い、15名の常任幹事の一人として初めて清和研の役員に就任いたしました。私は(資金管理に関する)そのような協議に参加する立場になかったのであり、事実上の相談を受けたこともありません。私が安倍派5人衆の中心人物かのように報道されたことは事実でありまして、ただ残念ながらそういう立場ではなかったと」と述べました。
萩生田氏のパーティー券収入キックバックの不記載額は、5年間で2728万円。
これは、現在も衆院議員の職にある人物としては最も多い額です。
萩生田光一元政調会長:
具体的には以下の用途で使用しました。海外要人訪問時の贈答品の費用。議員外交に関する経費。随行スタッフの経費。この3種類であります。支出に関してはもとより政治活動のみ目的に使用しており、私の個人的な流用や選挙など、不正な支出は一切ございませんでした。(キックバックの額について)なぜ金額が大きかったかについては、そもそも扱うチケットの枚数が多かったんで、手元で扱う金額も多くなったのは事実だと思います。しかしながら、私の事務所も私も、このノルマを大きく超えて、そして還付を期待して販売をしてたわけではないと。
2024年3月に開かれた政倫審では、安倍派5人衆の中で唯一、執行部から止められ出席しなかったとされる萩生田氏。
なぜ今回出席を決めたのか質問が飛ぶと、「以前から出席の意思はあった」と話しました。
また、キックバックされた金を事務所の机の引き出しに入れていたとされる点についての追及には、「一回のパーティーが終わると、この現金をこの口座を次回も使いますので、一回全部支出をして、派閥に収めるもの、それから返ってきたもの、あるいは途中からは留保したものがあったんですけれども、これは現金で秘書が管理をしておりました」と回答。
立憲民主党・米山隆一議員の「これはかなり奇っ怪なことをされているわけですよね。だって銀行口座があるわけですよ。次の時に空にする必要なんかないじゃないですか。何のために帳簿があるんですか」という質問には、「一回下ろすのは、派閥に全額を収めなきゃならないんで、現金を下ろして。そして還付のあったものを現金で管理をしていたということ。当然、手提げ金庫で管理をしていた時代もあったり、あるいは自宅へ持ち帰っていただいたという時代もあったり。しかし、最終的にこの事案があった時には事務所の引き出しにあったということでありまして」と答えました。
18日の政倫審では、出席議員の1人から「不記載は旧安倍派の事務局からの指示であった」とする弁明も飛び出しました。
不記載896万円・柴山昌彦元文科相:
平成26(2014)年ごろに、清和研(旧安倍派)の事務局から、秘書に対し「今後は寄付について(事務局は)収支報告書に計上しないので、貴事務所でも受領について同様の対応を取ってほしい」、つまり、双方が計上しないかたちに従ってほしい旨の要請があった。
また、18日は参議院でも政倫審が開かれ、松川るい元自民党女性局長らが弁明を行っています。
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