「103万円の壁」を巡る議論は、与党と国民民主党の間の協議が「打ち切り」となり、与党側が「123万円」までの引き上げにとどめようとしています。
18日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏が与党側の姿勢や、自民議員の発言について、現状を「知らなさすぎ」と批判しました。
■103万円の壁とは? その影響を受けるのは誰?
いわゆる「103万円の壁」で、主に影響を受けるのは扶養する子供を持つ親です。
103万円は、親の基礎控除48万円と給与所得控除55万円を足した数字です。
扶養に入っている子供がアルバイトなどで103万円以上稼ぐと、親の扶養から外れてしまうことになります。
アルバイトしている学生さんも所得税を払わなきゃいけなくなるということで、双方ともに手取りが減ってしまう懸念や、労働現場も人手不足になってしまうということです。
■『バイト代は103万円を1円でも超えるべからず』
橋下氏は、7人の子どもがいますが、『バイト代は103万円を1円でも超えるべからず』と伝えていることを明かしました。
【橋下徹氏】「103万円超えると特定扶養控除62万円。2人だったら126万円の控除なくなるんですよ。これに税率かけた分が税金増えるんですよ」
さらに、橋下氏の家族をモデルケースとして、最高税率を適用した場合を試算すると、子供の収入が103万円を超えた場合、およそ35万円分の税金を払うことになるということです。(子ども1人が103万円を超えた場合)
【橋下氏】「子どもに言っているのは、『稼ぐんだったら稼ぎなさい』。130万円超えるんだったら、家族全体のプラスアルファなるんだったらやったらいいけど何にも計算せずに1万円とか飛び出るってことになったら、1万円飛び出る代わりに、お父さんお母さんが70万円減るのは(やめてほしいから)計算してねと」
■自民・小野寺政調会長の発言に批判が集中 橋下氏は学生の現状を「知らなさすぎ」
この「103万円の壁」をめぐる議論の中で、批判されているのが、自民党の小野寺政調会長の発言です。
小野寺政調会長は、今月15日の自民党の会合で、「野党各党は壁を取っ払えとかいうが、根本おかしいなと思う。なんで学生が103万円まで働かないといけないのか」と発言しました。
この発言に対して橋下氏は、学生を取り巻く厳しい環境を「知らなさすぎ」と批判しました。
【橋下氏】「大学の学費がどんどん上がってるんですよ。『103万円』は20何年間ずっと変わってなかったのかな。学費は、もう2倍近くまで上がってるから」
さらに…
【橋下氏】「下宿して大阪から東京に行った場合なんかだと、ひと月に何十万もかかるわけだから。103万円以上働かないといけない学生が山ほどいるってことを小野寺さんはちょっと知らなさすぎ」
■学業に専念できるような支援を「まずやってから言わないと」
103万円の壁をめぐる議論は、国会で打ち切りとなりましたが、この問題の解決は依然として注目されています。
小野寺政調会長は「学業に専念できるように政治が支援するのが本筋」とも述べていますが、橋下氏はさらにこの発言も批判しました。
橋下氏は「先に自民党政治がきちっと学生が働かなくてもいいような制度をしっかり作ったんだったら、働かなくていいですよって言ったらいいけど、今働かなきゃしょうがないような状況なんだから。
本筋だったら、まずはやってから言わなきゃ。口で言っているだけだから」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」 2024年12月18日放送)
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