政治改革関連法案が18日、参議院の特別委員会で審議入りし、自民党の提出者の一人である小泉進次郎元環境相は、立憲民主党の小西洋之氏の質問に対し、「自民党は変わりつつある」と強調した。また、自民党を厳しく追及してきた小西氏が「小泉総理」と呼び間違えた場面では、「エールをいただいた」などと笑わせた。
質問の中で小西氏は、自民党の派閥の弊害について「派閥の推薦等によってやる気も能力もないような方が国家の経営者である大臣、副大臣、政務官にどんどん就任していくということは、やっぱり現実に起きている」と指摘した。
その上で小泉氏に対し、「総裁選で国民のために決着をつける政治を確立すると仰った。私はその心意気は本当に素晴らしいと思う。決着をつけないといけないと思う。小泉総理に…あ、小泉か、期待も込めて伺いたいが、失われた30年から希望と安心の10年・20年を我々の世代で作っていくために、自民党型派閥政治の弊害である利権・世襲・愚かな政務三役の人事。こうした弊害を法律の力で取り除く改革に思いがあるか」と尋ねた。
これに対し小泉氏は「まさか、今日は小西先生だということで身構えていたが、エールをいただけると。ありがとうございます」と述べた上で、「派閥の何が良くなかったかというと、やはりお金と人事の二つを活用して影響力を行使する。これが派閥の弊害だった」と指摘した。
その上で、「お金の部分は派閥によるパーティー禁止、人事についても推薦は禁止、党の執行部は推薦は受け付けないといった形になったことで私は自民党の体質は変わり始めていると思う」と強調した。
さらに小泉氏は、9月の自民党総裁選に関して「私自身は結果は出なかったが、ありがたいことに15年間無派閥でやってきた私が、党員票は3位でも議員票で1位をいただいた。多くのグループ・旧閥を越えて支援をいただいた。こういったことも私は自民党の変化の一つではないかなと思っている」と述べた。
小西氏はさらに「小泉さんは、党は違うが、これからの世代を担う政治家の方として期待する、頑張っていただきたい」と改めてエールを送った上で、世襲政治家が有利な状況を改革する必要性について質した。
これに対し小泉氏は2009年に自身が初出馬した際のことに触れ、「私は特に小泉純一郎から小泉進次郎へということで、世襲の象徴的な存在として強い批判に遭った。それでも自分が政治を自ら志すという決意と覚悟を有権者の皆さんにお認めいただかなくてはといった覚悟から、私は重複を辞退して小選挙区の単独立候補、さらに公明党からの推薦も受けない形をとり、今でもそのことは変わらず続けている」と説明した。
その上で「最終的に有権者の皆さんに、仮に世襲に対する批判が強くあったとしても選んでいただける、そういう政治活動を続けていきたい」と強調した。
一方、企業団体献金については、小西氏が禁止を訴えたのに対し、小泉氏は「企業だけではなく労働組合関連の政治団体、機関誌の収入、幅広く議論が必要ではないか」と述べ、議論は平行線に終わった。
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