石破茂首相は11日、首相官邸で自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会からSNSを通じた闇バイト強盗対策に関する緊急提言を受け取った。提言は警察官が身分を隠して犯罪組織に接触する「仮装身分捜査」を実施できるようガイドラインの策定を求めた。
首相は「被害が拡大するばかりなので当面できることを徹底してやっていく」と語った。会長の高市早苗前経済安全保障相は面会後、記者団に「現行法の範囲内でできる緊急対策を中心にとりまとめた。できるだけ速やかに実行してほしい」と話した。
闇バイトはSNSなどで合法的な求人を装い、応募時に身分証や個人情報の送信を要求する例が多い。提言は募集者の氏名や連絡先、業務内容などを表示しない投稿は職業安定法に基づいてSNS事業者による削除を促進すべきだと訴えた。
海外のプラットフォーマーが日本法人の窓口を設置し、捜査当局と必要な情報を迅速にやりとりする環境を整えるべきだとも主張した。「シグナル」をはじめとする秘匿性の高い通信アプリが念頭にある。
防犯カメラの整備を地方自治体に促すことも提案した。
政府は年内にも犯罪対策閣僚会議を開催する予定で、自民党からの提言を対策へ反映させる。
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