石破茂首相は11日の衆院予算委員会で、ロシアとの北方領土問題について「4島帰属の問題を解決し、平和条約を締結するとの方針には何ら変わりはない」と強調した。2島先行返還による決着案について「そういう立場を政府として確定したことは一度もない」と言明した。
立憲民主党の岡田克也氏の質問に答えた。2島先行返還は、北方四島のうち1956年の日ソ共同宣言で引き渡しが明記された歯舞群島、色丹島については返還協議を行い、併せて国後、択捉両島の帰属に関する交渉を行う方式。
安倍政権時代の2018年、シンガポールでの日ロ首脳会談で日ソ共同宣言に基づき条約交渉を加速することで一致し、事実上2島先行返還へかじを切った。その後のロシアの態度硬化やウクライナ侵略で交渉は頓挫している。
25年1月にトランプ新政権が発足する米国との関係についても触れた。首相はアジア太平洋地域における自由と平和の維持や経済発展に向け「どちらがどういう役割分担をするか、相乗的に高め合うことになる」と述べた。
予算委に先立ち開かれた理事会で立民は政府の24年度補正予算案の修正案を提出した。約13兆9000億円にのぼる政府案について、約12兆5000億円への減額を要求した。能登半島の復旧・復興支援は1000億円の増額を盛り込んだ。
予算委では立民に続き日本維新の会、国民民主党、公明党、れいわ新選組、共産党、衆院会派「有志の会」が質問する。
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