自民党の森山裕幹事長は10日、公明党の西田実仁幹事長と東京都内のホテルで会談し、自民党の派閥裏金事件について弁明する衆院の政治倫理審査会(政倫審)への出席を、世耕弘成・前党参院幹事長にも促していく考えを伝えた。世耕氏は参院議員だった3月に参院の政倫審に出席したが、その後衆院にくら替えしており、改めて弁明を求める。
会談に同席した自民の坂本哲志国対委員長が記者団に、出席を促す対象者数は「15人、あるいは16人」だと説明。16人目は世耕氏かと記者団が問うと「そういうことだ」と述べた。
森山氏は会談後の記者会見で、世耕氏について「参院の政倫審に出席しているので、再度衆院議員になっておいでになるかは、ご本人の判断による」と語った。
旧安倍派「5人衆」の一人だった世耕氏は4月に離党勧告を受け離党。10月の衆院選和歌山2区で当選し、11月からは無所属のまま自民の衆院会派の一員となっている。
衆院政倫審は5月、旧安倍派を中心とした不記載議員のうち弁明をしていない44人を審査対象とすると議決したが、追加の出席者はいなかった。衆院選では44人のうち15人が再選。自民は裏金事件の「けじめ」をつけるため、政倫審で弁明していない裏金議員に出席を促す方針を示していた。
自公会談では今年度補正予算案について、12日に衆院を通過、17日に参院で成立させる日程を目指すことも確認した。政策活動費の廃止を含む政治改革に関しては「会期内に一定の成案を得るように努力をしていく」ことで一致。坂本氏は「何を最大公約数としてまとめていくのか、何を継続審議として会期以降に話し合うのかをしっかりと決めていく」と語った。【森口沙織、野間口陽】
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