兵庫県の斎藤元彦知事(47)が3日、11月の再選後初めて県議会本会議に臨み、所信表明演説した。斎藤氏は1期目を振り返り、「新たな事業や改革に挑戦する過程で、おごりや慢心があったかもしれない」と述べ、2期目の決意を「丁寧な対話と謙虚な姿勢で県政運営に臨む」と誓った。
文書告発問題については、「県民への説明責任を果たしていくことは極めて重要」だとして、改めて県議会調査特別委員会(百条委)や第三者調査委の調査に誠実に対応すると表明。公益通報窓口の外部化やハラスメントのない組織風土づくりに取り組むとした。また、知事選で公約に掲げた県立大の授業料無償化推進にも意欲を示した。
県議会は全会一致で斎藤氏への不信任を決議したが、失職した斎藤氏は出直し選で再選された。浜田知昭議長は本会議の冒頭、議員らに「県民生活に悪影響を与えないためにも、今は県政の混乱を収束させることを最優先として意見交換を重ね、オール兵庫に向けた雰囲気をつくることが最も大切だ」と呼び掛け、知事や県幹部らには文書問題への真摯(しんし)な対応を求めた。
本会議終了後、斎藤氏は「新たな県政のスタートで身の引き締まる思いだ」と語った。
県議会では、知事選期間中に横行した動画やSNS(ネット交流サービス)による誹謗(ひぼう)中傷などの不当な行為を非難する「健全な民主主義を守る決議」案の提出を検討していたが、維新の会が「実効性のある公職選挙法の改正を求めるべきで、議会の決意表明は必要ない」と反対し、見送られた。【栗田亨、長沼辰哉】
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