国による大規模調査は初めてです。全国各地で検出されている人体に有害な有機フッ素化合物PFASを巡って、環境省と国土交通省は全国の水道水を調査した結果を公表しました。
有機フッ素化合物PFASの実態を把握するため、環境省と国土交通省は今年度、上水道や規模の小さな簡易水道など全国の3755事業を対象に過去5年間のPFASの水質検査の実施の有無や検出した際の最大値などについて調査しました。
この結果、今年度検査を実施したのは1745事業者で、PFASが暫定の目標値を上回った事業者はありませんでした。ただ目標値を下回ったものの沖縄では41ある水道事業者のうち、離島を含む15の事業者でPFASが検出されました。
一方、全国14か所で昨年度までの4年間に目標値を超えるPFASが検出されていたことが明らかになりました。
このうち岡山県の吉備中央町では2022年度に目標値の28倍にあたる1400ナノグラムが検出され、また岐阜県の各務原市は2021年度に11倍にあたる550ナノグラムのPFASが検出されています。
県内では4年前に金武町で水道水の水源としていた地下水から目標値を超える70ナノグラムが検出されました。町では濃度の高かった一部地下水からの取水を停止するとともに北部ダムを水源とする県企業局の水に全面的に切り替えるなど、対策を講じました。
高濃度のPFASは沖縄市や嘉手納町などでも確認されています。県はこれまでの調査から汚染源を「アメリカ軍基地由来の蓋然性が高い」と指摘し、基地内の立ち入り調査を求めていますが、日米地位協定が壁となりいまだ実現せず、原因の特定は進んでいません。
水道水の目標値を巡ってはアメリカ政府は今年4月、4ナノグラムに引き上げて厳しくしていて日本の基準の見直しと汚染源の特定は大きな課題として突きつけられています。
環境省は今回の調査結果を基にPFASの目標値の見直しなど、検討を重ねるとしています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。