日本維新の会は1日、大阪市のホテルで開いた臨時党大会で、新代表に吉村洋文大阪府知事を選出した。開会中の臨時国会の論戦や政策を巡る各党との協議などに対処するため、新執行部の人事を急ぐ。10月の衆院選で議席を減らしており、2025年夏の参院選に向けて態勢を整える。
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代表選は11月17日に告示した。代表だった馬場伸幸氏は衆院選の議席減などを踏まえて立候補せず、吉村氏のほかに金村龍那、空本誠喜の両衆院議員、松沢成文参院議員が名乗りをあげた。党員投票で吉村氏が8547票を得て勝利した。
吉村氏は代表選出後のあいさつで「維新は次世代のためにある政党だということを軸にしたい。今この時期にしなければならないことは存在意義や目標を定めて向かっていくことだ」と強調した。
記者会見で共同代表に前原誠司元外相を起用する意向を示し「経験と実績の力を借りたい」と話した。党幹部に若手を登用する考えも表明した。
参院選の改選定数1の「1人区」で立憲民主党など他の野党との候補者一本化に前向きな考えを改めて示した。事前の情勢調査などに基づく「予備選」で候補を絞る手法を挙げた。話し合いによる調整は「野合になる」と否定的な立場をとる。
吉村氏は参院選で現有の改選6議席の確保を目標に据える。代表選の候補者討論会でも「1人区は野党で割れたら到底太刀打ちできない。野党で準決勝をし、与党と一対一の対決に持ち込むべきだ」と主張していた。
維新の衆院選の獲得議席は公示前から5減って38だった。特に比例代表の全国での票数は21年の前回選の805万票から510万票へと落ち込み、野党の中でも「埋没した」との見方がある。新執行部は看板となる政策の打ち出しも問われる。
吉村氏は過去2度の住民投票で否決されている「大阪都構想」を設計し直し、再度問うことを視野に入れる。維新の母体の地域政党、大阪維新の会で制度設計を検討したいと言及している。
議員の報酬削減といった「身を切る改革」を掲げ続ける方針だ。維新の国会議員は歳費の2割を党を通じて被災地などに寄付してきた。地方議員の報酬削減なども進めた。
代表選で地方組織から活動資金の確保が難しいと「改革」の縮小論も出た。吉村氏は「できないなら他の政党でやった方がいい」と堅持する構えを崩さなかった。
維新代表選は大型国政選挙や統一地方選の後に要否を判断する仕組みだ。今回は10月の衆院選を受けて実施を決めた。
吉村 洋文氏(よしむら・ひろふみ)九大卒。大阪市議、衆院議員を経て大阪市長。49歳。【関連記事】
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