石破政権の看板政策・「地方創生」にむけ議論する有識者会議の初会合が29日開かれた。委員からは「単なる交付金の増額では地方創生は成り立たない」などと幅広い支援を求める声が挙がった。
「新しい地方経済・生活環境創生会議」と名付けられた有識者会議は日本郵政の増田寛也社長を座長に、愛媛県の中村知事や連合の芳野会長など15人で構成されている。
29日に開かれた初会合の冒頭で伊東地方創生相は「地方が活性化していかなければ、日本全体の活性化はないという強い思いで、有識者会議を立ち上げた。忌憚のない意見を出してほしい」と述べた。
石破首相は来年度の当初予算で地方創生の交付金を倍増する方針を打ち出しているが、参加した委員からは「単なる交付金の増額では地方創生は成り立たない」「市町村が行いたい事業と国が理想とする交付金事業のギャップが生じている」として、交付金の使いやすさ向上や、人材をはじめとした多様な支援を求める声が相次いだ。
このほか地方では性別による業務の割り当てや慣習が根強く残っている地域もあるとして「性別による役割分業、賃金格差に根本的に介入しない限り、お金をばらまいても何ら変わらない」との指摘や、女性が働きやすい環境の重要性を訴える声も挙がった。
有識者会議の増田座長は地方創生が始まって10年が経つ中、「若者、女性の意識の十分な把握、政策反映が不十分であった」などと指摘し、今後も地方の意見を聞き取る機会を設け、議論を進める考えを示した。
政府はこの有識者会議で出た意見を参考に、年内に地方創生に対する基本的な考え方をとりまとめるとしている。
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