自民党は28日、石破茂首相が持論とする「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想などを念頭に、アジアの安全保障のあり方について議論する特命委員会を発足させた。中国やロシア、北朝鮮の軍事的な活動の活発化に加え、来年1月に就任するトランプ次期米大統領の「米国第一」主義がもたらす安保環境の変化への備えについても議論する。
委員長に就いた小野寺五典政調会長は初会合で「石破首相が言うようにアジア版NATOや日米地位協定の改定は、一朝一夕でできる課題ではない。しっかり議論を積み上げていくことが大切だ。日米同盟を中心に、他国と連携を強める中で、日本の対処力や抑止力を高めていくチーム作りをやっていきたい」と語った。
特命委は、首相が就任後、党総裁選で訴えた安保政策の持論を封印したことに対する「変節」批判を受けて設立された経緯がある。
小野寺氏は会合後、記者団に「アジア版NATOや日米地位協定の問題にフォーカスして議論するというより、今後、トランプ政権とどう向き合い、日本の安保環境を整えるか、石破政権における安保戦略について大きな議論をする場所だ」と語った。【中村紬葵、金寿英】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。