27日投開票された衆院選は、28日未明にかけて開票作業が行われ、和歌山県内選出の議員が出そろった。1区は自民新人の山本大地氏が、維新前職の林佑美氏に僅差で勝利し、自民として15年ぶりに1区の議席を奪還した。林氏も重複立候補していた比例代表近畿ブロックで復活当選した。2区は参院からくら替えした世耕弘成氏が議席を得た。当選した3人は28日、街頭に立つなどして、新たなスタートを切った。【衆院選取材班】
自民、15年ぶりに議席 和歌山1区
小選挙区で競り勝ち初当選した山本氏は、JR和歌山駅前で午前6時半から通勤客らに当選を報告。「がんばって」と駆け寄る人も多く、握手を交わして活躍を誓っていた。
「決まった時はほっとした気持ちが強かったが、全体の結果を見渡すと自民党に対する厳しい民意を感じている。責務は重い」と話した山本氏。わずか124票差での当選に「地元なので同級生が後押ししてくれたんじゃないか」と笑みをこぼした。
国政では人口減少、少子高齢化の問題に取り組むと意欲を見せ「地方の現状をしっかりと国に届けていきたい」とした。
林氏は、28日未明に小選挙区での落選が決まった直後、比例復活が確実となった。泣きながら支援者らの前に姿を見せ、「うれしいというより、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と頭を下げた。
同日午前7時からは、和歌山市田中町の交差点に立ち、行き交う車に手を振り続けた。小選挙区では敗れたものの「互角に戦えるところまで応援してくれた人がいたことが励みになる」と気持ちを切り替えていた。
今後の抱負については「投票してくれた方の生活が良くなるような政治をしたい。投票して後悔したと思われることがないよう、精いっぱい頑張っていきたい」と述べた。
◇二階俊博氏、三男に再起促す 2区
初当選した世耕氏は、午前7時50分過ぎに田辺市稲成町の選挙事務所に姿を見せ、選挙結果を報じる新聞各紙に目を通して当選の実感をかみ締めていた。
自民党幹事長などを務めた二階俊博氏の三男で自民公認の伸康氏との激しい保守分裂選挙となったが、「相手の比例復活も許さないほどの(差がついた)結果に満足している」と述べた。
自民派閥の裏金事件では、旧安倍派の「5人衆」として厳しい批判を浴びた。「元幹部として政治不信を招いた責任は大きい。離党して裸一貫で出直しを図ったが、選挙活動を通じて党のバックアップがいかに大きかったかを改めて感じた」と心情を吐露。復党については、「必要とされれば選択肢の一つだが、あくまで党が判断すること」と話した。
一方、伸康氏は27日夜に田辺市の事務所で敗戦の弁を述べた後、選挙区内の他の事務所を回って選挙戦での支援に謝意を述べた。28日未明には比例復活もならず、落選が確実になった。
御坊市の事務所では、俊博氏が再起を促して激励。見守っていた陣営幹部は「伸康氏も国政への意欲を失っていない。反省すべき所は反省し、引き続き支えていく」と話した。
■開票結果
1区=選管最終発表
当 70,869 山本大地 33 自新(比)
比 70,745 林佑美 43 維前(比)
25,067 村上賀厚 65 立新(比)
13,665 井本有一 58 共新
13,422 林元将崇 26 参新
1,749 正司武 73 諸新
2区=選管最終発表
当 101,739 世耕弘成 61 無新
71,114 二階伸康 46 自新(比)
33,147 新古祐子 52 立新(比)
19,062 楠本文郎 70 共新
6,033 高橋秀彰 42 諸新
当は小選挙区の当選者
比は比例代表の当選者
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