15日公示、27日投開票の衆院選で、福岡9区(北九州市八幡西区など)から立候補を目指していた自民党の大家敏志参院議員(57)=福岡選挙区=は11日、立候補を断念すると表明した。大家氏が立候補を見送ったことで、注目を集めるのが福岡9区で7万~8万あるとされる保守票の行方だ。自民党県連関係者が懸念していた「不戦敗」が現実味を帯び、今後は保守票争奪戦が激化する見通しだ。
立候補を予定する無所属新人、三原朝利氏は2023年2月の北九州市長選で、自民推薦候補と対立した武内和久市長を支援したため、自民党県連から除名処分を受けた。
ただ、三原氏は文相などを歴任した朝雄氏(故人)を祖父に、自民副幹事長を務めた朝彦氏を叔父に持ち、長年衆院の議席を守ってきた「三原ブランド」は今も健在だ。ある地元市議は「(自身の)後援会には三原家と関係の深い人も多い。一定の自民票は三原氏に流れる」とみる。
また、武内市長は昨年から衆院選での三原氏支持を明言しており、市内で知名度の高い武内票の積み増しも期待できる。
前回21年の選挙で朝彦氏を破り当選した、無所属前職の緒方林太郎氏(51)は「どんなにいい政策を語っても政治が信頼されないなら聞いてもらえない。裏金は脱税で、正していく」と市内各所を回って支持を訴える。大家氏の立候補断念には「これまでと変わりなくやるだけ」と話す。
福岡9区にはほかに共産党新人の山田博敏氏(62)と参政党新人の山本直緒美氏(60)が立候補を予定している。【山下智恵、反田昌平】
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