9日の衆院解散に伴い、野党4党が衆院議長に提出した石破茂内閣の不信任決議案は審議されないまま国会が閉会した。衆院本会議で不信任案が議題として宣告された直後、議長に解散詔書が伝達されたためで、不信任案は審議未了で廃案となった。
通常、内閣に退陣を求める不信任案は他の議事を中断して最優先で審議されるが、憲法に基づく天皇の国事行為である衆院解散はさらなる重みを持つことが可視化された。
9日午前、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の4党は、予算委員会の開催に応じないなどの首相の姿勢に反発し、不信任案提出で合意。午後の党首討論後、「言行不一致を繰り返し、首相の任に堪えないことが露呈した」などとする不信任案を額賀福志郎議長に提出した。
しかし、午後4時に始まった衆院本会議で不信任案が議題として宣告された直後、林芳正官房長官が解散詔書の入った袱紗(ふくさ)を額賀氏に伝達。額賀氏が「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」と読み上げ、衆院は解散された。
衆院事務局によると、直近では2005年8月の通常国会で郵政民営化を主張する小泉純一郎内閣の不信任案が提出された際も、直後に解散詔書が伝達され、不信任案は審議されず衆院が解散された。【森口沙織、源馬のぞみ】
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