衆院選は2021年10月以来3年ぶり。小選挙区「10増10減」を受けた新区割りで初めて実施する(写真は7日の衆院本会議)

石破茂首相は9日午後、衆院解散に踏み切る。臨時閣議で「15日公示―27日投開票」の衆院選日程を正式に決める。与野党は事実上の選挙戦に突入する。「政治とカネ」を巡る問題や物価高対策を含む経済政策が主な争点となる。

政府は9日午前9時の臨時閣議で衆院の解散を決める。午後1時に80分間の党首討論を開き、午後3時半からの衆院本会議で額賀福志郎議長が解散詔書を読み上げる。

首相は衆院選日程を決める臨時閣議の後、夜に記者会見し、解散の大義などを説明する。

衆院選は2021年10月以来。小選挙区定数「10増10減」を受けた新しい区割りで初めて実施する。小選挙区289、比例代表176の計465議席を争う。

首相就任から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短だ。解散から投開票までは18日間で、前回衆院選の17日間に次いで戦後2番目の短期決戦となる。

解散時勢力は自民256、公明32の計288議席で過半数の233を上回る。公明党の石井啓一代表は「自公で過半数」を勝敗ラインに設定した。立憲民主党の野田佳彦代表は「自公の過半数割れに追い込む」と主張する。

衆院解散に先立ち、自民党は9日午前の選挙対策本部会合で第1次公認200人超を決定する。首相は8日夜、党本部で森山裕幹事長や小泉進次郎選挙対策委員長と1時間半ほど会談した。

政治資金収支報告書の不記載があった議員のうち10人以上を公認しない方向だ。既に萩生田光一元政調会長ら6人を非公認にする方針を決めている。

森山氏は都道府県連から公認の申請があっても勝つ見込みが乏しい場合に公認を見送る可能性に言及しており、非公認の議員を数人追加する見通しだ。

日本経済新聞社の1〜2日の緊急世論調査で石破内閣の支持率は51%だった。岸田内閣で最後だった9月の前回調査から24ポイント上昇した。自民党の政党支持率も41%と4ポイント上がった。

首相は4日の閣議で経済対策の策定を指示した。物価高対策や経済成長に向けた賃上げの継続支援、防災体制の強化など3本柱を盛り込んだ。低所得者世帯への給付金を含めた「物価高の克服」を掲げた。

立民は「分厚い中間層の復活」などを柱をし、中低所得者の消費税負担の一部を税額控除と給付で軽減する「給付付き税額控除」を公約に据える。自民党の政治資金問題を引き続き追及する。

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