参院本会議で答弁する石破首相(8日午前)

石破茂首相は8日午前、自衛官の処遇改善に向けた関係閣僚会議の初会合を10月中に開くと明らかにした。参院代表質問で自衛官の生活や勤務の環境改善について「喫緊の課題だ」と発言した。自民党の松山政司参院幹事長への答弁。

立憲民主党の田名部匡代氏は、首相が自民党総裁選で前向きだった衆参両院での予算委員会の開催を一転して見送ることなどを念頭に「ぶれずに責任ある答弁を求める」と迫った。首相は「私の政治信条は一貫している」と反論した。

田名部氏は首相が日米地位協定の改定を提唱しながら、4日の所信表明演説で触れなかった理由を問いただした。

首相は改定について「一朝一夕で実現すると思わない」と話し、長期的な課題と位置づける考えを示した。「まずは喫緊の外交・安全保障上の課題に取り組んでいく必要がある」と訴えた。

首相は2025年夏の参院選を巡り、政治資金収支報告書への不記載があった議員の公認に関し「現時点で予断を持って答えることは差し控える」と話した。「選挙の有無に関わらず、それぞれの状況に応じた適切な方法で反省を求め、ルールを守る倫理観を確立する」とも強調した。

参院は代表質問を8日午後に終える。9日に80分間の党首討論を開く。十分な時間を確保するよう求める野党の意見を自民党が受け入れて通例の45分間から延ばす。衆院選での争点を有権者に示す機会が増える。

衆院は9日中に解散する見通しだ。首相は内閣支持率が上がりやすい政権発足からなるべく早い時期での選挙を重視した。

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