今月27日に投開票が行われる見通しの衆議院選挙を前に、今週末、広島1区では自民党の岸田文雄前総理が総理退任後初めて地元入りしました。
一方、対峙する野党側も立憲民主党が候補者を擁立するなど選挙に向けた動きが加速。
立候補予定者の週末を追いました。
「まもなく岸田本人到着です。お待たせしました」
<会場・拍手>
拍手で迎えられた自民党・現職の岸田文雄(きしだ ふみお)氏(67)
氏
6日は午前中、広島市中区のホテルで急遽、自身の後援会の役員会を開催。
総理退任後、初めて地元入りした。
【自民党・現職 岸田文雄氏】
「久しぶりに地元の皆様にお会いさせていただき、私も何かほっとした気分を持っています」
挨拶では冒頭、自民党派閥の裏金事件に言及し「改めてお詫びしなければならない」と陳謝した。
【自民党・現職 岸田文雄氏】
「自民党が変わったということを具体的に示す、分かりやすい第一歩は私自身が身を引くことであると退陣を決断した次第であります」
また、午後には地域後援会の会合を開き、出席したおよそ120人、一人一人と握手を交わした。
総理在任期間中の3年間を振り返り、広島サミットをはじめ、外交や経済政策で大きな成果を上げることができたと強調し、来るべき選挙への抱負も述べた。
広島1区はこれまで広島市中区・東区・南区だったが、区割り変更に伴い、これまでは広島4区だった安芸郡海田町、府中町、坂町が加わった。
夕方には新たな選挙区となった海田町で、安芸郡3町の町長や地元の町議たちとの会合にも出席。
【自民党・現職 岸田文雄氏】
「28年ぶりに衆議院の選挙区が変わるということで、3町の皆さんと新たにご縁をいただいた。ぜひこのご縁を大事にさせていただいて、この次の選挙も頑張らせていただきたいと」
選挙への決意を語る岸田氏。
総理退任早々、新たな選挙区となった3町の町長らを集めたのには理由がある。
ことし5月の府中町長選は無所属・新人の5人が争った結果、自民党と公明党が推薦した元町議が落選。
また、去年11月の海田町長選でも自民党推薦の現職が敗れている。
陣営関係者からはこうした現状を不安視する声も聞かれる。
【立憲民主党・新人 平本浩一氏】
「立憲民主党は政権交代のチャンスを迎えています。国民の怒りを背に、私もほかの候補者とともに頑張ります」
「政権交代こそ最大の政治改革」だとして5日、広島1区への立候補を表明したのは立憲民主党・新人でコンサルタント会社社長の平本浩一(ひらもと こういち)氏 (58)だ。
【立憲民主党・新人 平本浩一氏】
「労働者を軽視した現状をもう見ていられないです。労働者の生活を豊かにすることが最高の経済対策です」
呉市出身の平本氏は外資系証券会社での勤務を経て、世界銀行に入り、23年間勤めた経歴を持つ。内需拡大を目指す経済対策とともに政治腐敗からの脱却を訴える。
同様に、「政治とカネ」を巡る自民党の政治に不信感を募らせる有権者の受け皿にもなれたらと立候補を表明したのが日本維新の会・新人の山田肇(やまだ はじめ)
氏(35)。
【日本維新の会・新人 山田肇氏】
「自民党の政治を維持していこうと思うとやっぱり不明瞭なお金を使わないと維持できないような制度になっているんじゃないかなというのは私も感じるところでして、維新というのは何のしがらみもない状態ですので、皆さんにまっさらな気持ちで向かい合ってやっていくことができるんじゃないかなと」
5日、衆院選の立候補予定者説明会に出席。
元大阪市議で市議選には2回当選しているが、衆院選は初挑戦だ。
広島市東区出身の山田氏。
実は政治を志したきっかけは自民党・現職の岸田氏のラジオ番組に出演したのがきっかけだという。
【日本維新の会・新人 山田肇氏】
「もう運命的なものを感じまして。岸田さんがご迷惑にお感じになられているかどうかというのも率直にどうなんだろうなというのが気になるところでもあるんですが、現役世代の負担軽減、社会保障負担の話も大きく党でもマニフェストとして掲げるということになってますので、持続可能な社会になるように皆さんの理解を深めていきたい」
一方、共産党・新人の中原剛(なかはら つよし)氏(67)は自民党・現職の岸田氏の核兵器を巡る姿勢に怒りの声を上げる。
【共産党・新人 中原剛氏】
「私の立候補の決意というのは、岸田前総理がこの広島1区選出の国会議員でありながら昨年のG7サミットの時にこともあろうに慰霊碑の前で『核抑止』ということを発言した。広島1区選出の国会議員は決して口にしてはならない」
5日、広島市中区で事務所開きを行い、およそ60人の支援者を前に、来るべき衆院選への決意を述べた。
【共産党・新人 中原剛氏】
「暮らしの問題、経済の問題、戦争する国づくりに向かってまっしぐらなこの岸田政権にこの広島1区から指をくわえて見ているわけにはいかない」
また、7日、無所属・新人で元マツダ社員の産原稔文(うぶはら としふみ)氏(56)が広島1区への立候補を表明。
【無所属・新人 産原稔文氏】
「裏金・世襲の問題とかそういうものを今回は中心として訴えたいと思って出馬しました」
選挙区での当選10回を誇る、自民党・現職の前総理に新人4人が挑む構図となった広島1区。前総理の早々の地元入りに、新人たちの猛攻が熱を帯びつつある。
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