石破茂政権が発足した。山積する課題にどう取り組むのか。主要閣僚に聞いた。
加藤勝信財務相
――在任中にこれだけはやり遂げたいという課題は何か。
◆私には財務相、金融担当相に加え、デフレ脱却担当相という肩書がある。早くその肩書が取れるよう、デフレ脱却に全力を傾けたい。
――石破茂首相は最低賃金を2020年代に全国平均1500円に引き上げる努力を続けると表明した。どう実現するか。
◆賃上げ促進税制の活用と価格転嫁が重要だ。生産性を上げていくことを通じて最低賃金を上げていく。
――財政健全化はどう考えるか。
◆まずはデフレ脱却を図る。そのためには経済あっての財政という基本的な考え方のもと、物価高で苦しんでいる方々への支援と、デフレ脱却の足取りを確かなものにするための成長戦略をしっかり進める。そうした中で、物価上昇を上回る賃金の上昇と積極的な投資によって、成長と分配の好循環が実現できる形態を作る。その上で財政健全化をどう図っていくかだ。
――現在の為替相場は円安・ドル高に傾き過ぎていないか。
◆コメントしない。急激な(為替)変動は企業活動にマイナスであり、国民生活にもプラスにはならない。変動をよく見極め、日本経済、国民生活に与える影響をしっかりと見ながら経済財政運営に当たりたい。
――日銀への期待は?
◆金融政策の具体的なやり方は任せている。そのうえで、市場ときちんとしたコミュニケーションを図っていただきたい。2%の物価目標の持続的、安定的な実現に向け、我々も努力する。日銀においても適切な金融政策運営がなされることを期待したい。【聞き手・山下貴史】=随時掲載
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