名古屋市議会の団長・幹事長会議で市長の辞職願について説明する河村たかし市長=名古屋市中区で2024年10月7日午前9時16分、真貝恒平撮影

 衆院選に出馬を表明している名古屋市の河村たかし市長(75)は7日、市議会の団長・幹事長会議の場で、市長の辞職時期について説明した。当初は11日に辞職したい考えを伝えたが、各会派の団長から「議会中に職を投げ出すのは無責任」などと批判が相次いだ。このため、辞職願を提出せずに15日の衆院選公示日に自動失職する意向を示すも、この案も議会が反発。最終的に14日に辞職することで議会に理解を求めることになった。

 会議の冒頭、河村氏は9日に市議会議長に辞職願を提出し、11日に本会議で同意を得たい考えを明らかにした。だが、民主の小川俊之団長が「議会中に(市長の)職を投げ出すのは甚だ議会軽視であり、市民に対しても無責任ではないか」と批判。河村氏は「市政を空白にしないように副市長がいる。国に訴えるチャンスはもうない。(衆院選の出馬が)名古屋のため、市民のためになる」と理解を求めたが、自民の藤田和秀団長は「市長をやりきったのではなく、やりっぱなし。議会にも市民にも失礼」と反発した。

 追い詰められた河村氏は前言を撤回し「市長としての責任を全うするなら(辞職願を提出せずに)自動失職の道を選びたい」と説明。藤田団長は「我々議会と向き合うのを避けたということか」と不快感をあらわにした。

 会議は結局、時間切れで打ち切り。田中里佳議長が河村氏に「この1時間で発言が変わった。各会派から出た意見を十分しんしゃくした上で今後の対応を誠意を持って考えてほしい」と要望した。

 河村氏は言葉少なに市長室に戻り、約6時間後、報道陣に対応。9日に市議会議長に辞職願を提出し、衆院選公示日直前の14日付で辞職する意向を明らかにした。「市長としての職を可能な限り全うできるよう14日に辞めるのが適切」と述べ、議会の同意に手応えを見せた。9日の辞職願提出後、10~11日の本会議に諮られるとみられる。【真貝恒平】

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