石破首相は、裏金事件に関わった旧安倍派の議員を、10月の衆議院選挙で原則公認する方向で調整しています。

国会記者会館から、フジテレビ政治部・高橋洵記者がお伝えします。

石破首相は4日午後、国会で初めての所信表明演説に臨み、まず冒頭から政治とカネの問題に対する反省を示しました。

石破茂首相:
まずは、政治資金問題などを巡り、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省とともに触れねばなりません。

石破首相は裏金事件で処分された議員に対し、地元が公認を申請し、再発防止の誓約書を書けば衆院選で原則公認する方向で調整し、比例代表との重複立候補も認める方向です。

そのため、ある議員は「反省だけではダメだ。全員公認では世論の理解を得られない」と冷ややかですが、この背景には旧安倍派の猛反発がありました。

石破首相に対し旧安倍派のベテラン議員が直談判する事態にまで発展したため、党内からは「公認しないと分断を生み、政権運営に影響する」との声が上がり、石破首相は党内融和の優先に傾きました。

公認を巡る協議は、週末にかけて引き続き行われる予定です。

そして、この公認問題について石破首相は記者団の取材に応じ、「報道を見たがそれについては何も決まっていない」と述べました。

一方、野党は、裏金議員の公認問題を巡り、石破首相の所信表明を受けて厳しく批判しています。

立憲・野田代表:
裏金問題の真実をちゃんと究明して語ってほしい。ご自身の胸に手を当てて、聞いてほしいと思います。

自民党が裏金議員を公認することで調整していることについて、野田氏は午前の記者会見で「驚きを禁じえない。選挙区では厳しく戦っていかければいけない」と述べました。

野党は自民党の裏金問題などで与党に対し、論戦に応じるよう要求している中、与野党の国対委員長会談では、9日に通例よりも長く時間を取って党首討論を行うことで合意しました。

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