米沢市の栗子山で進む風力発電事業について、経済産業省が事業者に対し「勧告」を行った。イヌワシの生息状況を正しく調査・評価するための新たな専門機関の設置や、工事計画の見直しなどを求めている。

米沢市の栗子山では、JR東日本エネルギー開発が大型風車を最大10基建設する計画を立て、事業を推し進める一方、生息する国の天然記念物のイヌワシへの影響が懸念されている。

計画をめぐっては、吉村知事が意見書の中で「中止を含めた計画の見直し」を行うよう求めているほか、米沢市の近藤市長も「市民への説明が不十分」などとして、計画の白紙撤回を申し入れている。

こうした動きも踏まえ、経済産業省は9月19日、JR東日本エネルギー開発に対し、計画の見直しなどを求める「勧告」を行った。
この中で、イヌワシの生息状況については、正しい調査・予測・評価が必要であり、新たに複数の専門家などで構成する協議会を設置するよう求めた上で、地元住民に対し協議内容の公表と説明を十分行うよう求めた。

また、工事計画については、土砂の崩落や流出による環境への影響を避けるため、土地の改変や盛り土の量を最小限に抑えるなどの見直しを行うよう求めた。

勧告に対し、JR東日本エネルギー開発は「これまで、専門家や関係行政・地域住民の意見を踏まえた環境保全に努め真摯に対応してきた。引き続き理解いただけるよう取り組んでいく」とコメントしている。

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