日本維新の会・大阪維新の会の本部=大阪市で、岩井香寿美撮影

 22日投開票の大阪府議補選摂津市選挙区(改選数1)で大阪維新の会が公認した新人が、無所属新人に敗れたことを受け、大阪維新の吉村洋文代表(府知事)は24日、「厳しい風が吹いているのは事実だ。芯をブレることなく、改革政党としての原点に立ち返る必要がある」との認識を示した。報道陣の取材に答えた。

 議員辞職に伴う府議補選摂津市選挙区は、無所属で元同市議会議長の森西正氏(54)が1万634票を獲得し、初当選。141票差の1万493票を集めた大阪維新の元同市議、三好俊範氏(37)ら3人を破った。

 敗北について吉村氏は「地に足をつけた活動を徹底的にやらないと勝てない。身近な活動が重要だ」と述べた。

 任期満了に伴う摂津市長選(22日投開票)では、大阪維新は公認候補を擁立しなかった。党内で候補者を調整中に、元府議の中川嘉彦氏(55)が大阪維新を離党し、無所属で立候補した経緯がある。

 市長選は無所属新人の嶋野浩一朗氏(51)が1万3760票を集めて初当選し、中川氏は7964票にとどまり、大差がついた。

 吉村氏は「公認を立てられなかった責任はある。(中川氏は)一緒にやってきたメンバーであり、あえて候補を立てるのはどうか、ということで判断した」と経緯を説明した。

 大阪維新の公認候補は、7月の府議補選河内長野市選挙区や、8月の箕面市長選などでも敗れた。府内でも苦戦が続いており、党内に刷新チームを設置し、敗因を分析し、選挙戦略を検討している。

 任期満了に伴う阪南市長選(10月20日告示、同27日投開票)では、3選を目指す大阪維新の現職と、大阪維新から除名された府議が、それぞれ立候補を表明し、「分裂選挙」の様相を呈している。

 党の統治能力が不十分だとの指摘に対し、吉村氏は「ガバナンスは強化したい。これだけ(党の)人数が増えると、そういうことが出てくる。力不足なのかもしれない。大変な状況は続くが、やるしかない。消滅しないよう頑張る」などと危機感をあらわにした。【東久保逸夫、面川美栄】

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