米子市の拉致被害者・松本京子さんの兄の孟さんが、鳥取県湯梨浜町の小学校で講演し、残された家族の思いを児童たちに伝えました。

拉致被害者家族・松本孟さん:
待てど暮らせど帰ってこないわけですから。神隠しにあったような感じだった。

湯梨浜町の羽合小学校で開かれた講演会で話すのは、米子市の拉致被害者・松本京子さんの兄・孟さんです。6年生の児童約80人を前に、拉致被害者家族としての心境を語りました。米子市の拉致被害者・松本京子さんは1977年10月21日午後8時すぎ、自宅近くの編み物教室に向かった後、行方が分からなくなりました。

羽合小学校の児童:
京子さんに会ったときに、一番最初に言いたい言葉は何ですか。

松本孟さん:
もちろんこれです。「おかえりなさい」です。

この講演会は、拉致問題への県民の関心を高めようと、鳥取県が県内の学校や公民館などで定期的に開いています。

羽合小学校の児童:
(拉致問題には)これからも、他人事じゃなくて関心をもって生活したい。

羽合小学校の児童:
自分たちの生活が、一瞬で壊されるのは怖いから気を付けていきたいし、家族に感謝したいと思った。

松本孟さん:
もし仮に、子どもが1人でも2人でもいなくなったということになれば、これは大きな問題ですから、拉致問題には気を付けて日常生活をしていただければと思っています。

現在、政府が認定している消息不明の「拉致被害者」は12人ですが、拉致された可能性があるとされる「特定失踪者」は全国で約470人にのぼり、県内でも4人います。鳥取県は今後もこうした活動を通じて、拉致問題の啓発を続けていきたいとしています。

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