日本維新の会は2021年の兵庫県知事選で斎藤氏を推薦した(21年7月、神戸市)

日本維新の会は兵庫県の斎藤元彦知事を巡る疑惑が次期衆院選など国政選挙に影響する事態を警戒する。2021年の知事選では維新と自民党が斎藤氏を推薦した経緯がある。自民党は事実上辞職を求め距離を置いた。

維新の馬場伸幸代表は30日、日本経済新聞のインタビューに「(百条委員会で)真実を解明してほしい」と語り、斎藤氏の説明を注視する立場を強調した。

吉村洋文共同代表(大阪府知事)は静観姿勢を転換しつつある。27日に兵庫県議団による辞職勧告決議案や不信任決議案の提出の「可能性はある」と踏み込んだ。近く藤田文武幹事長が県議団幹部らと対応を協議する。

25日投開票の大阪府箕面市長選では維新の母体である大阪維新の会の公認現職が初めて首長選に敗れた。斎藤氏の問題が維新に飛び火して党勢失速を招けば次期衆院選の関西圏での議席上積みに黄信号がともる。

21年衆院選で比例代表で復活当選した議員は維新全体の5割超を占める。比例票への打撃は目標の「全国政党化」にも逆風となる。

自民党は7月中旬の時点で県連会長の末松信介元文部科学相が「大きな正しい決断をしてほしいと強く願っている」と辞職を促した。それでも影響を警戒する声は残る。県選出議員は「政治資金問題と加えてダブルパンチになる」と危惧する。

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